「サワードウブレッドを焼くとき、クープ(切り込み)って絶対必要なの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?今回、同じ生地を使って2種類のパンを焼き比べました。一方はクープナイフで丁寧に切り込みを入れたもの、もう一方はかつて一緒に働いたイタリア人シェフが田舎の実家で教わってきた「切り込みなし」製法で焼いたもの。その仕上がりの違いは、AIと一緒にブログを作って、予想以上に面白い結果になりました。

クープありのサワードウクープなしのサワードウ
🎬 焼き上がりショート動画です。
もくじ
1. そもそもクープ(coupe)って何?
クープとは、パン生地をオーブンに入れる直前に専用のナイフ(ラメ)などで入れる切り込みのことです。フランス語で「切る」を意味するこの技法は、見た目の美しさだけでなく、パンの膨らみと食感を左右する重要な工程です。
英語ではスコアリング(Scoring)
クープを入れる理由
- 焼成中に発生するガスの逃げ場を作り、パンが計画通りに膨らむようにする
- 「耳」と呼ばれる香ばしくパリッとしたクラストを形成する
- 内部のクラム(気泡)を均一に広げる
- 見た目に美しい模様・デザインを加える
2. イタリアの田舎に伝わる「クープなし」製法
以前一緒に働いていたイタリア人シェフが、故郷のPane di Casa(パーネ・ディ・カーザ=家のパン)について話してくれたことがあります。イタリアの特に南部や山間部の農村では、昔からクープを入れずに焼くスタイルが根付いているそうです。
「うちのノンナ(おばあちゃん)はナイフを使わなかった。生地が自分で割れたい場所を知っているんだよ」と彼は言いました。生地をしっかり表面張力をかけてシェイプし、自然な亀裂に任せて焼く——それがイタリア式の美学です。
クープがないから手抜きではありません。シェイプの精度と発酵の見極めこそが、この製法の肝です。
3. 焼き比べ結果:見た目と食感の違い
写真をご覧ください。左がクープあり、右がクープなしです。同じ生地から作ったとは思えないほど、表情が違いますよね。
| 比較ポイント | クープあり(定番スタイル) | クープなし(イタリア式) |
|---|---|---|
| クラスト(外皮) | 切れ目から大きく割れ、耳が立つ。バリッとした食感 | 表面がなめらかで自然なひび割れ。均一に厚めのクラスト |
| 膨らみ方 | 上方向に力強く伸びる(オーブンスプリング大) | 横に丸みをもって広がる。安定感のあるドーム型 |
| クラム(中身) | 気泡が大きく不均一になりやすい(開いた気孔) | 気泡が均一でもっちり。田舎パンらしい密度感 |
| 見た目の印象 | アルチザン感・ベーカリースタイル | 素朴でぬくもりある農家のパン感 |
| 難易度 | クープのタイミング・角度に技術が必要 | シェイプと発酵の見極めが全て |
| 合う料理 | スープ・チーズ・シャルキュトリーなど | オリーブオイル・ブルスケッタ・シチュー |
4. なぜこんなに違いが出るのか?
クープありの場合
生地がオーブンの熱を受けると内部の乳酸菌が最後の爆発的発酵を起こし、二酸化炭素が大量発生します。クープが入っていると、その圧力が意図した方向に一気に解放され、パンが上へと勢いよく膨らみます。切れ目の内側は外側より温度上昇が遅く柔らかいため、あの特徴的な「耳」が立ちます。
クープなしの場合(イタリア式)
クープがないと、ガスは生地の最も薄い・弱い部分から自然に逃げます。これが側面の自然なひび割れとなります。一見「失敗」に見えますが、これは完全にコントロールされた現象です。しっかりとしたシェイプと適切な発酵状態(過発酵させない)によって、自然な割れ方をコントロールするのです。
クープありを成功させるコツ
冷蔵発酵後の冷えた生地に、ラメを30〜45度の角度で深さ1〜2cmで素早く引く。躊躇なく一気に切ることが大切です。
イタリア式(クープなし)を成功させるコツ
シェイプ時の表面張力が命。タイトなボールに仕上げ、発酵を少し早め(やや若め)で焼成へ入るのがポイントです。
5. 使った道具・材料のご紹介
両方の製法を試すにあたって実際に使用したアイテムです。
🔪 クープナイフ(ラメ)
クープありに必須。薄くしなやかなブレードが命です。
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🫙 ダッチオーブン(鋳鉄製)
蓋をして焼くことで蒸気が閉じ込められ、クラストが薄くパリッと仕上がります。
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🌾 強力粉(高タンパク)
タンパク質14%前後の強力粉がおすすめ。グルテン力が強く、しっかりしたクラムになります。
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🌾 ライ麦粉(全粒)
5〜10%加えることでスターターが元気になり、風味に深みが出ます。
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6. まとめ:どちらが「正解」?
正直に言うと、どちらも正解です。クープありは現代のアルチザンベーカリースタイル。クープなしはイタリアの農村に生きてきた知恵の結晶。どちらも美しく、どちらも美味しい。
もし「どっちを試すべきか」と聞かれたら——まずクープなしから始めてみてください。道具も技術も最小限で、生地と向き合うことに集中できます。その後でクープに挑戦すると、切り込みの意味が体感としてよくわかります。
パン作りは実験です。失敗も含めて、全部が学びになります。
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